|
千葉県の障害者差別禁止条例について
今年7月に千葉県で障害者差別禁止条例が施行されました。 正式には「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」と言いますが、昨年10月11日に県議会本会議において全会一致で可決されました。 障害者への差別禁止については国連で法律化を勧める方針が出されており、英米をはじめとする各国では既に法制化されています。 日本でも障害者差別禁止法の制定を求める声は各方面で大きいのですが、国(厚生労働省?)は「障害者基本法」があるから必要ないとしています。 しかし「障害者基本法」は第一条(目的)に「障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策に関し、基本的理念を定め、及び国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策の基本となる事項を定めること等により、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を総合的かつ計画的に推進し、もつて障害者の福祉を増進することを目的とする。」と記されているとおり、国や地方公共団体等の施策のあり方に関する法律です。 また第三条(基本的理念)で障害を理由とした差別や権利の侵害をしてはならないと記してありますが、個人の尊厳及び平等また奪い得ない権利を護ることを目的とした法律とは本質的に異なり「必要ない」とする姿勢の内に「制定されると都合が悪い側」の主張が潜んでいるように思えてなりません。 このような状況の中で、正面から障害者差別を禁止した「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」が我が国で最初の条例として成立したことは意義深いと考えます。
障害者差別は、「障害者に不利益」な取扱いをすることではなく、「障害者以外と比較して不利」な取扱いをすることです。 障害者以外と「機会が均等」でない、「処遇が平等」でないことが差別なのです。 多くの人がこの点を誤解しています。
我が国で最初の条例であることから、何が差別になるのか「差別の定義」等について曖昧であるとする意見もありますが、実務面で経験を重ね、論議を深めて必要に応じて改定すれば良いことであり、まず第一歩を踏み出したことが重要だと思います。
県単位の条例ではなく、国の「法律」として早期に制定されることを期待します。
「障害者差別禁止法」の制定を求めることは、障害者と障害者以外を「区別」することであり、ある意味で自己矛盾していると思わない訳ではありませんが、彼らの実利を護るためには必要なことと考えています。 やがて制定されるであろう「障害者差別禁止法」に盛られる事項が国民の生活文化として定着し、この法律が必要でない社会を創ることが我々の務めではないでしょうか。
|